08/02 10:05

陸上の第8回世界選手権は8月3日(日本時間4日)にカナダのエドモントンで開幕、12日(同13日)まで行われる。
シドニー五輪から約1年。
アテネ五輪に向けて、新たなスタートとなる大会で、注目される選手を紹介する。
日本の「鉄人」が、世界の頂点に挑戦する。
男子ハンマー投げの室伏広治(ミズノ)。
4月に82メートル台の日本記録を2度、マーク。
7月には一気に83メートル47まで記録を伸ばした。
今季世界最高、歴代でも7位の快記録に、五輪、世界選手権を通じ、日本の投てき史上初のメダルどころか、優勝の期待が高まる。
「何も変えずに今まで通りやれば、いい成績を残せると思う」。
淡々とした口調のなかにも、確かな自信をのぞかせた。
前回、世界選手権はまさかの予選落ち。
より力を蓄えて臨んだはずのシドニー五輪でも9位に終わった。
勝負強さが課題となりつつあったが、5月の国際グランプリ大阪大会では82メートル59で1位。
シドニー五輪金メダルのシモン・ジオルコフスキ(ポーランド)ら強豪がそろった6月のゴールデンガラ(ローマ)でも強い雨のなか79メートル50で制し、国内外で今季、負けはない。
父、重信コーチは「去年は急激に力をつけたこともあって、実力に半信半疑な部分があった。
でも今年は、もっと自信を持ってもいい」と太鼓判を押している。
29日付のエドモントンの地元紙は大会の特集を組み、男子ハンマー投げの優勝候補に「今季の世界トップ5の記録のうち、3つを占める」室伏を挙げた。
それでも「大変な戦いになるのは覚悟している。
世界選手権は勝負の場。
背負うものが違う」。
大舞台での失敗も糧に成長を続ける室伏は、静かに意欲をみなぎらせた。
(エドモントン共同)
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