08/08 16:58

淡々と流れていた女子1万メートルが、8000メートルをすぎて徐々にスピードアップされると、日本選手はズルズルと後退を始めた。
まず小崎が先頭集団から落ち、8400メートル手前で野口も遅れた。
さらに1周して岡本も脱落。
1995年イエーテボリ大会から続いた入賞が、ついに途切れた。
32分14秒56で日本勢最高の9位の岡本は「悔しい。
後半の(スピードの)切り替えには準備していたけど、うまくつけなかった」と言った。
1周を1分20秒前後のスローペースで、序盤は位置取りに苦労。
集団の外側を回ることも多く、必要以上に消耗した。
97年アテネ大会で千葉真子(当時旭化成)が銅メダルを獲得。
だが昨年のシドニー五輪は川上優子(沖電気宮崎)の10位が最高。
メダルからは遠い状況だ。
日本は5000メートルには3大会続けて3選手を送り込んだが、今回は標準記録突破が厳しくなったことで、出場は1人。
マラソンの活況とは対照的に、トラックは地盤沈下傾向にある。
苦戦を覚悟していた日本チームの沢木啓祐監督は「3人とも上出来。
岡本はあと1人で入賞だった」と話した。
岡本は「次はできたら(世界選手権に)マラソンで戻ってきたい」。
野口、小崎からもマラソン志向の言葉が相次ぎ、トラックをマラソンへのステップと位置づけている。
だがこの日金メダルのツルは4月のロンドン・マラソンでも優勝。
海外の強豪は積極的に両方を兼ねる傾向が強まっており、トラックでの劣勢が将来、ロードにも波及しないか心配になる。
(共同)
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