08/10 16:06

カーブの出口でケンデリスは明らかに遅れていた。
トップとの差は約2メートル。
だがそこからが圧巻だった。
力強いキックでぐいぐい差を縮める。
両手を広げ歓喜のゴールに飛び込んだときには、逆に2メートル前後の差をつけていた。
昨年のシドニー五輪でも後半の追い上げで金メダルを獲得した28歳は「前半はリラックスするようにして、そこから全力でいった。
練習と同じように走った」と分厚い胸を突き出した。
笑顔で臨んだ優勝会見はしかし、薬物使用に関する質問で雰囲気が一転した。
「今年と昨年で、何回ドーピング検査を受けましたか」。
唐突な問いに「抜き打ち検査を今年だけで3度受けた」と答えた後は、表情を硬くした。
2004年アテネ五輪を開催するギリシャの星として期待を担う。
20代後半での急速な記録の向上や、終盤50メートルでの驚異的なスピードのため、疑いの目を向けられるのだろう。
「すべて自分の努力で達成してきたものだ。
ギリシャの人々が喜んでくれ、勇気づけられている」。
アテネの金メダル候補は、不愉快そうにメディアの憶測を否定した。

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