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【エドモントン(カナダ)12日共同】12日の世界陸上選手権女子マラソンで銀メダルを獲得した土佐礼子選手(25)、4位に入賞した渋井陽子選手(22)を指導する鈴木秀夫・三井海上監督(49)は、シドニー五輪優勝の高橋尚子選手(29)を育てた小出義雄・積水化学監督(62)の教え子だ。
陸上師弟が、相次いで世界のひのき舞台でメダリストを誕生させた。
小出監督が千葉・長生高教員時代の陸上部員が鈴木監督。
いまでは指導法で議論しながら、酒をくみ交わす仲だ。
高橋選手のほか、有森裕子選手、鈴木博美選手ら多くのトップ選手を育てた師匠に続いた教え子は「本当にほっとした。
疲れた」と、喜びよりも安ど感を示した。
ともに教員生活を経て、実業団の指導者に転じた共通点がある。
小出監督は「悩みがあると、よく相談されたねえ」と振り返る。
若い女子選手の指導は、きわめて難しいとされる。
チーム内での競争が逆効果を招くこともあり、小出監督はマラソンにトップ選手2人の同時出場をできる限り避けた。
今回、有力選手2人を代表に出した鈴木監督の気遣いは細やかだった。
米コロラド州での合宿では同じ内容の練習でも、一緒にはやらせなかった。
練習で勝ち負けがつくストレスを与えないためだ。
「言いたいことも我慢した。
どっちかにつくと、片方が傷つくし…」とアドバイスの仕方にも配慮。
気配りが実り、同時に結果を出した。
レース後、2人と顔を合わせた鈴木監督は「よし、今晩はお祝いだ」とやさしく声をかけた。

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