サウジアラビアのデアイエ

1次リーグで強豪ぞろいのE組に入ったサウジアラビアは、GKデアイエが忙しくなりそうだ。
3大会連続の出場となる29歳の守護神は、その経験値とリーダーシップから「男爵」と呼ばれる。
身長188センチで長い手足を伸ばし、天性のバネを効かせてシュートに飛びつくプレースタイルから「黒蜘蛛(くも)」とも称される。
10代で代表の定位置を奪取してから、国際Aマッチには160試合以上に出場している。
1994年アメリカ大会ではアクロバチックな好セーブを連発。
1次リーグ突破に貢献し、決勝トーナメントを含め全4試合にフル出場。
98年フランス大会でも1次リーグ全3試合でゴールを守った。
デアイエは、W杯デビュー戦を今でも鮮烈に覚えているだろう。
強豪オランダと1-1の接戦だったが、自分のミスで決勝点を許した。
顔を手で覆って悔し涙にくれた時、チームメートだけでなくオランダのエース、ベルカンプも駆け寄って慰めた。
だが、そこでひるむことなく、その後の大活躍で世界中の注目を集めた。
国際サッカー歴史統計連盟という目の肥えたサッカー識者の団体からは、「20世紀アジア最優秀GK」の栄誉を授かった。
ゴールラインに張り付いて立ち、反射神経と瞬発力に絶対の自信を持つ。
長身FWを擁すドイツやアイルランドとは、ライン際のしれつな空中戦を、カメルーンとはハイレベルな身体能力の勝負を繰り広げるだろう。

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