スロベニアのザホビッチ
ワールドカップ(W杯)の出場チームで最も面積が狭く、人口が少ない初出場のスロベニア。元G大阪の左サイドのMFカーリッチや市原のDFミリノビッチらJリーグで活躍した選手も抱えるが、ワールドクラスと言えば、攻撃的MFのザホビッチ(31)だ。
昨年9月からの2カ月間は腹部のけがなどのトラブルに遭い、W杯予選のプレーオフも欠場した。「けがを克服してからはW杯に向け、調子がいい。リズムを取り戻したし、すべてがOKと言えるね」
4月17日に国際親善試合で、日本が1次リーグで対戦するチュニジアに1-0で勝利。カタネツ監督がイタリア1部リーグ(セリエA)サンプドリアでの現役時代に学んだ規律を植え付け、強固な守備からの速攻を徹底した。勤勉な国民性にマッチした組織的な戦術に、アクセントを付けたのが背番号10の司令塔だ。
8歳でサッカーを始め、ポルト(ポルトガル)バレンシア(スペイン)などの欧州のクラブを転々し、現在はベンフィカ(ポルトガル)に所属。
円熟の域に入り、左足からの正確なFK、変幻自在で豪快なドリブル、絶妙のスルーパスと創造性に富んだプレーを見せる。W杯欧州予選で8試合に出場し、4得点と決定力も武器だ。
「スロベニアの世論はわれわれが奇跡を起こすことを過度に期待している。選手には相当の重圧だよ」。1991年に独立した小国の願いを受け、天才肌のエースがW杯のピッチで暴れる。

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