▽全員で攻守、アイルランド

世界的に名の知れた選手は、主将のロイ・キーンくらいだろう。
それを闘志で補い、予選を勝ち抜いた。ドイツ、カメルーンの強国が相手でも、間違いなく気持ちでは負けない。
やはり注目は「2人のキーン」か。マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)でも主将のロイは、豊富な運動量でピッチを駆け回る世界でもトップクラスの選手。攻守のバランスや試合の流れも考えながら、自陣ゴール前から前線まで精力的に走るチームの生命線だ。ストライカーのロビー・キーンは17歳で代表デビューした逸材。やや伸び悩み気味だが、スピードを持ち味とする。
ほかにも優れた技を持つ選手がいる。左DFのハートは積極的に攻め上がり、セットプレーでの左足キックはチームの大きな武器。
MFキルベーンは懐の深いドリブルで突破を図る。
ただ、個々の能力をドイツ、カメルーンと比べると厳しい。組織で対抗するしかない。その意味ではマッカーシー監督の「全員攻撃、全員守備」の戦術がチームに浸透している。気持ちを常に前面に出しながら、状況に応じた戦い方ができ、番狂わせを起こす可能性は十分だ。

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