06/04 21:52

勝ち点3の望みは一瞬にして遠のいた。
2-1と逆転して迎えた後半30分。
日本は最終ラインを押し上げた瞬間、入れ替わるように2列目からバンデルヘイデンに飛び出された。
警戒していたライン統率の駆け引きだ。
チーム戦術の根幹となるフラット3の守備戦術は、W杯の舞台でも厳しい現実を突きつけられた。
この場面はアクシデントも災いした。
2度の右太もも裏肉離れから復帰した森岡が後半25分に打撲で負傷交代。
鼻骨骨折を押して強行出場した宮本は「ちょっとプレッシャーがあった」と言う。
試合の流れに入りきれないまま、ピッチを踏んでから5分後の最悪のシーンに天を仰いだ。
「フラット3」の守備戦術は横一列に並んだ3人が積極的に最終ラインを押し上げ、中盤のスペースを狭くすることで主導権を握ったDFが敵をオフサイドに仕留めていく狙いがある。
しかし、他国も研究を重ねている。
この夜は、ロングボールからこぼれ球を拾われ、ハイクロスの対応も「高さ」で圧倒された。
「いいところも悪いところもあった。
少し残念」とは森岡。
宮本は「うまく指示が伝わらなかった」と話した。
中盤を省略された展開では、オフサイドをちらつかせて主導権を握り、最終ラインから攻撃への第一歩にもなれなかった。
ただし、日本はこの戦術で戦い、相手の攻撃をはね返していくしかない。
「(次も)勝ち点を取れるような試合がしたい」。
森岡の目は既に勝負のロシア戦に向いている。

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