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鼻を守る黒い保護具をつけた宮本がキャプテンマークをつけ、日本の先頭で6万観衆の前に姿を見せた。
森岡の負傷により、5月30日の練習試合で鼻骨を骨折した25歳が3バックの要を任された。
大事な一戦での重責にも冷静な対処で守備陣を統率した。
ロシアの攻撃をしのいだ無失点の90分。
「今日は勝てて素直にロッカーで喜んだ。
衝突した鼻の状態?集中していたら忘れた」と1勝の味をかみしめた。
5月のホンジュラス戦、レアル・マドリード戦とW杯直前に見せた守備の不安定ぶりに、宮本には迷いがうかがえた。
その後のノルウェー戦ではスールシャールの寄せに、最後尾でボールを失うなど大きなミスもあった。
ベルギー戦でも同点ゴールを奪われたのは、森岡が退き宮本が交代出場した直後だった。
先発の可能性をほのめかされたのは7日だったという。
悪い流れにも、ベルギー戦後の修正点を頭に入れ、自信を持って臨んだ。
「いつもより深めのラインでリスクを冒さないようにした」。
ロシアの中距離シュートの連発にも、戸惑う場面はなかった。
迷いを立ちきり、自分の力を信じて臨んだ。
大舞台で存在感を示した。
「トルシエから1対1の戦いになると言われた。
それがきちんとやれた」と、宮本は試合後、厳しい表情を少し緩めた。

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