◎イタリア

▽イタリア
 欧州予選8組最終戦のハンガリー戦。1―0で勝利し、11大会連続15度目のW杯出場が決まった。それでも会場は大興奮に包まれるわけでもなく、選手も淡々とピッチを引き揚げた。
 格下の相手に対し、前半に1点を入れると後半はFWデルピエロを下げ守りを固める堅実さ。「W杯出場を決める試合で点を取って勝ててよかった」とトラパットーニ監督。「カテナチオ(かんぬき)」と形容される守りの伝統は現代表にも引き継がれている。
 しかし、今のイタリア代表の魅力は世界最強ともいえる守備に、華やかな攻撃力がミックスされていることだ。中心は昨季まで中田英寿(パルマ)の同僚だったローマのトッティ。アイデアあふれる攻撃を演出する25歳は「W杯であだ名がつくとしたらオーケストラ指揮者がいいね」とハンガリー戦の後に言った。
 FWの人材も豊富。デルピエロ、F・インザギ、ビエリ、そしてW杯4大会連続出場に向けてサポーターからの支持が強いバッジョ。監督は人選に頭を痛めることだろう。今回のイタリアは「負けないけど面白くない」という過去の評価を覆しそうだ。

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