[写真]「ゴーイング・マイ競技」力出し切り入賞を 女子競歩の第一人者、川崎

背筋を伸ばし、腰を振るように歩く独特の競技にのめり込んで11年。陸上女子20キロ競歩で北京五輪代表が確実な川崎真裕美(かわさき・まゆみ)(海老沢製作所)は「アテネ五輪は40位に敗れた。今回はしっかり力を出し切りたい」と誓う。昨年の世界選手権(大阪)は10位になった。北京では8位入賞を視界にとらえている。
中学時代はバレーボール部。茨城・下館二高で陸上を始め、2年生のときに中長距離から競歩に転向した。貧血に悩む時期もあったが、持ち前の持久力と脚筋力の強さで頭角を現した。
生で見ると予想以上のスピードに驚くはずだ。両足が同時に地面から離れるか、前脚が接地の瞬間から地面と垂直になるまでにひざが曲がるという反則があったと3人の審判が判断すれば失格となる。
4月のテスト大会で五輪本番のコースを経験した。石畳の硬い路面対策として5月からフォーム改造に取り組む。「前は強く地面をける意識が強かった。ロスがないよう、今は真下でしっかり接地するイメージ」の“新歩型”を定着させる作業を続ける。
取材依頼が増えた。昨年の世界選手権で男子50キロ競歩の山崎勇喜(やまざき・ゆうき)(長谷川体育施設)が誘導ミスに遭ったことで競歩の注目度が急上昇した。「山崎がさばき切れない分が回ってくる感じ。でもこの競技を広めるために役に立ちたい」と積極的な露出を心掛けている。
詩やデッサンが趣味。スランプになると「甘い自分を戒める」意味を込めて詩を作ることもある。「普段はインドア派。競歩以外は何もできない」と笑う28歳の第一人者は、北京の空の下で輝くつもりでいる。

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