「北京では金を」呪縛解き、王国に初の金を サッカー男子のブラジル

サッカー界の七不思議の一つといっていいだろう。ワールドカップ(W杯)最多の優勝5度を誇る王国ブラジルが、なぜか五輪の男子で勝てない。アテネ五輪は南米予選で敗退し、出場すら逃す屈辱を味わった。ドゥンガ監督は王国の意地とプライドを懸け「われわれはブラジルだ。何としても初の金メダルを取る」と、北京で呪縛(じゅばく)を解き放つ決意を示した。
北京五輪に出場する男子23歳以下代表とフル代表の監督を兼務する闘将は「多くの人はブラジルがW杯ほど五輪を重視していないと考えているようだが、それは違う。ピッチで力を示す」と鼻息が荒い。自身も1984年ロサンゼルス五輪で準優勝に終わり、五輪への執着は人一倍だ。
主力として期待されるのは18歳のFWパト(ACミラン)。3月のフル代表デビュー戦でも鮮烈なゴールを決めるなど、勝負強さと得点感覚が際立つ逸材だ。さらに3人の起用が認められているオーバーエージ(24歳以上)枠も注目される。
目玉候補だったカカ(ACミラン)は所属クラブの反対で断念せざるを得ない状況だが、ロビーニョ(レアル・マドリード)やロナウジーニョ(バルセロナ)らの招集がうわさされ、豪華な顔触れが五輪の舞台に立つ可能性がある。
過去10度の出場で銀が2度、銅が1度。96年アトランタ五輪は日本に歴史的敗北を喫し、2000年シドニー大会は準々決勝で姿を消した。前回のアテネで宿敵アルゼンチンが優勝したのもしゃくの種だ。ロビーニョは「五輪に招集されたら名誉なことだし、金メダルを取る手助けをしたい」と意気込んでいる。

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