「北京では金を」偵察強化で悲願の「金」を 反省胸に星野ジャパン

野球の日本代表が初めて全員プロで臨んだアテネ五輪は銅メダルにとどまった。2012年ロンドン大会では実施競技から除外されるため、北京五輪が金メダルの最後のチャンスとなるかもしれない。プロの最強チーム編成で雪辱を期す星野監督は「こんな素晴らしいことはないということを実現させたい。人生懸けて必死にやる」と燃えている。
アテネでは1次リーグに続き準決勝でもオーストラリアに苦杯をなめた。後に阪神入りしたオクスプリングに七回途中まで無失点の好投を許し、0―1で再び敗れた。
4番で出場し六回の好機に凡退した城島(マリナーズ)は、先発した松坂(レッドソックス)を見殺しにしてしまったと自分を責めた。「いい試合をしても結果がついてこなければ…」と涙を浮かべ、手で顔を覆った。日本はこの試合で相手の先発を読み切れず、データや情報が不足して攻略法も見いだせなかった。
その反省を生かし、星野監督はスカウティング態勢の整備に力を注いでいる。元プロのスコアラーら4人に対戦相手の情報収集に当たらせ、投手、打者の特徴を把握する作業を進めている。
監督も自ら3月の五輪世界最終予選(台湾)を視察。7月には五輪で対戦するキューバとオランダが出場する大会をチェックする予定だ。アテネの時、首脳陣が自ら敵情視察することはなかった。2大会連続で補佐役を務める大野コーチは「星野監督は何をやるにしてもスピード感がある。スカウティングにかける手間と費用は前回とは比較にならない」と語る。
未知の相手との一発勝負となる五輪。まずは情報戦で圧倒する構えだ。

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