教え子らから悼む声相次ぐ 日本ゴルフ界発展に尽力

日本ゴルフ界の草分け的存在だった中村寅吉氏が11日、老衰のため92歳で亡くなった。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の設立にも尽力し、指導者としても功績を残した「寅さん」の死を悼む声が相次いだ。

直接指導を受けたLPGAの樋口久子会長は「わたしにとって先生は父親のような存在であり、ゴルフだけでなく人としての生き方まで教えていただいた」とのコメントを発表した。LPGAの生みの親として初代会長に就いた中村氏の貢献に「先生がいたからこそ、今のゴルフ界の繁栄が存在する」と感謝する。

まな弟子として同じく指導を受けた往年の名選手、安田春雄プロは「おやじ」と慕ってきた。「弟子第1号になった自分にとっては世界一の師匠」としみじみ振り返る。安田プロによると、晩年は車いす生活になり、歯も悪くして食事がのどを通らない状態だった。「一つの時代が終わった」と寂しそうにつぶやいた。

中村氏がカナダ・カップ(現ワールドカップ=W杯)で優勝した1957年は日本プロゴルフ協会(PGA)が設立された年でもある。PGAの松井功会長は最大の功労者として「小さな体をものともせず、海外のトップ選手を相手に勝利し、日本のゴルフを世界にアピールしたことは、史上最も偉大なことであった」とコメントを寄せた。

02/12 10:16

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