
泉鏡花や夏目漱石、谷崎潤一郎ら日本を代表する文豪たちが描いた、幻想的で美しく、ときに妖しい物語の世界。そんな文学作品を原作とする映画を一挙に楽しめる特集上映「泉鏡花と 幻想・耽美の文芸映画」が、11月7日から東京・神保町シアターで開催される。
今回の特集では、泉鏡花の作品を中心に、文豪たちの独創的な世界観を映像化した全10作品を上映する。鏡花文学の映画化作品では、戦前から幾度も映画化されてきた名作『婦系図』(1962年)に注目。市川雷蔵が主演を務め、三隅研次監督が描く悲恋の物語をスクリーンで味わえる。また、歌舞伎俳優の坂東玉三郎が監督・主演を務めた『天守物語』(1995年)も登場。宍戸開、宮沢りえらが出演し、幻想的な異界の物語を美しい映像で表現する。
市川崑監督の『日本橋』(1956年)では、淡島千景、山本富士子、若尾文子という豪華女優陣が競演。さらに、京マチ子、森雅之らが出演する『瀧の白糸』(1952年)など、鏡花文学の多彩な魅力に触れられる作品がそろう。
鏡花作品以外にも見逃せないラインアップが並ぶ。谷崎潤一郎原作の『お琴と佐助』(1961年)や『乱菊物語』(1956年)、川端康成の官能的な小説を田村高廣主演で映画化した『眠れる美女』(1968年)、江戸川乱歩原作の『江戸川乱歩の陰獣』(1977年)など、個性豊かな作品を上映する。
また、夏目漱石の「夢十夜」を原作に、11人の監督が10編の夢を映像化したオムニバス映画『ユメ十夜』(2006年)も登場。さらに、泉鏡花に強い影響を受けた寺山修司が監督・原作を手掛けた『田園に死す』(1974年)も上映される。
活字で親しんできた文豪たちの世界を、俳優の演技や映像、音響とともに体感できるのは映画ならでは。晩秋のひととき、日常を離れて幻想と耽美の世界に浸ってみては。
上映は11月27日まで。会場は神保町シアター(東京都千代田区神田神保町1-23)。料金は一般1400円、シニア1200円、学生1000円。11月10日、17日、24日は休館。上映スケジュールや作品の詳細は公式サイトで確認できる。
