08/05 10:29

豪快な雄たけびと投てきは、この日の室伏からは影を潜めた。
男子ハンマー投げ予選で1投目は77メートル69。
次に78メートル06に伸ばしたが、最終3投目は76メートル69。
自動的に決勝進出が決まる79メートル50を超えた選手は2人しかおらず、上位12人が決勝へ。
室伏は全体の10番目だった。
「いつも通りやった。
まだ、サークルも含めて、うまく順応していないところがある。
きょうは予選を通るのが大事。
予定通り」と表情に厳しさはなかった。
父の重信コーチも「楽にいくように言ってあった。
最後の振り切りで滑るような感じがあったが、技術は問題ないと思う」と及第点を与えた。
世界に例をみない高速の4回転投法。
80メートルを超える投てきでは、瞬間的に400キロもの力が体にかかるという。
春先、82メートル台を連発した際には、しばらく背中を中心に疲労が残った。
予選から全力投球しては、翌日の決勝でまた力を出すのは難しい。
いつもよりベンチでくつろぐ時間も長く、メダル取りへ、体力を温存しているようにも見えた。
シドニー五輪で優勝したシモン・ジオルコフスキ(ポーランド)は81メートル85で全体のトップ通過。
ライバルは好調だ。
だが「あした(決勝)になれば、またがらっと変わると思う。
あしたに合わせている」。
前回セビリア大会は予選落ち。
シドニー五輪でも9位に終わった失敗を糧に、成長を続ける「鉄人」は確かな自信を胸に、決勝に臨む。
(共同)
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