08/06 10:20
レース終盤、隣のレーンを走るモンゴメリとの差がみるみる縮まった。
ゴールに入ったときには左足を引きずっていた。
グリーンが左ひざを痛めながらも男子100メートルで3連覇。
4年に1度の開催だった1980−90年代にカール・ルイス(米国)が記録した連勝記録と並んだ。
不安を抱えていた左ひざは「残り10−15メートルで何かを感じて、それからハムストリング(ひざのけん)がおかしくなった」という。
だが力を緩めるつもりはまるでなかった。
「金メダルは戦って勝ち取るもの。
死んでもいいと思って最後まで走った」。
第一人者としてのプライドが、動かない足を前へ運ばせた。
3年前に「最高のコーチだから」という単純な理由でジョン・スミス氏の門をたたき、足の運びを徹底的に改造した。
上半身を鍛えて筋肉量を約5キロアップ。
27歳の世界記録保持者は円熟の域に入りつつある。
向かい風0・2メートルの条件で今季世界最高の9秒82。
左ひざの変調がなければ世界新も夢ではなかったが「がっかりなんかしていない。
勝てたんだからそれでいい」。
まだチャンスはいくらでもあると言いたげな顔だった。
レース後、200メートルの欠場を明言し、史上初となる2大会連続での男子短距離2冠は断念した。
(共同)
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