08/11 12:19
世界で最も小さなトップハードラーの1人とされる170センチ、67キロの為末が、男子400メートル障害でメダルを獲得。
日本の男子短距離・障害史上初の快挙を果たした。
400メートルで45秒台の力を持つ走力を生かし「何秒間かは世界の1番を味わいたい」と序盤から飛ばした。
障害間のインターバルを13歩から14歩に切り替える6台目のハードルもスムーズにクリア。
「決勝は魂で走る」の意気込みで、最後まで持ちこたえた。
広島皆実高3年の冬、1995年イエーテボリ大会のこの種目で決勝進出を果たした山崎一彦(岐阜ES振興事業団)の話を聞いて、世界のファイナリストを目指す気持ちが固まったという。
「決勝になると、声援が風みたいに聞こえる」の言葉が特に印象的だった。
今回、為末の耳には、場内の大歓声がどう響いただろう。
今大会で為末に日本記録を破られた山崎は「僕は決勝が夢だった。
でも(為末は)完全に目標になっている」。
走力のレベルアップを図る過程では400メートルの第一人者、小坂田淳(大阪ガス)に練習相手を頼み、さらに東海大、順大勢とも練習を重ねた。
大学の枠にとらわれず、どん欲に自分を磨く姿勢が生きた。
中学時代から将来を嘱望され、高校3年のときに400メートルで45秒94の日本ジュニア新。
法大では一時低迷し、昨年のシドニー五輪では予選で転倒と大きな挫折も味わった。
センスの塊が、さまざまな経験と努力を経て、今、世界トップの域に達した。
▽為末大(ためすえ・だい=男子400メートル障害)中学時代から活躍し、広島皆実高時代には400メートルでインターハイ優勝、世界ジュニア選手権でも4位。
昨年のシドニー五輪は予選敗退だった。
広島県出身。
法大。
170センチ、67キロ。
23歳。
記事一覧