08/11 17:32

【エドモントン(カナダ)10日共同】世界陸上選手権は10日、カナダのエドモントンで男子400メートル障害決勝があり、為末大選手(23)=法大=が47秒89の日本新記録で銅メダルに輝いた。
2台目のハードルがある第2カーブの出口付近のスタンドには父敏行さん(52)、母文枝さん(51)、妹の祥さん(20)と祖父母らが陣取り、為末選手の快走を見守った。
五輪、世界選手権を通じて陸上の男子トラック種目で日本選手初のメダル獲得。
敏行さんは「すごいこととは思うけど、実感がわかない」と、表彰式の息子をまぶしそうに見詰めた。
レース終盤に疲れがのぞき、4位の選手に追い上げられた。
陸上競技の経験がある文枝さんは「最後の100メートルの気力はすごかった。
本当に気持ちで走っていた」と涙ぐんだ。
豪快なタイプに映る為末選手だが、両親は「見た目よりデリケートな子」と口をそろえる。
でも陸上では大の負けず嫌い。
「年上の子が相手でも、負けると悔しがっていた」と文枝さんは振り返る。
昨秋のシドニー五輪では、期待されながらハードルに足を引っ掛けて転倒し、予選で姿を消した。
シドニーへ応援に出掛けた両親は「言葉の掛けようがなくて、会わずにそのまま(日本へ)帰ってきた」(文枝さん)そうだが、今回は笑顔で再会できる。

記事一覧