08/13 09:49
海外初レースの土佐が果敢に戦った。
「自分のリズムで走る」。
その目標通りに22キロから29キロにかけた激しい起伏をうまく乗り切った。
快調なピッチ走法で、いつの間にか第1集団で主導権を握っていた。
37キロからはシモンとのマッチレース。
スピードには自信はないが、粘りが身上の土佐は「ラストでは勝負にならない。
早く離したい」と何度も揺さぶりをかけた。
だがシモンは動じない。
逆にスタジアムに入る直前に引き離された。
それでも現時点での力は出し切った。
「相手の方が上。
メダルが取れてうれしい」。
さわやかな銀メダルの笑みだった。
米コロラド州での合宿中にコンタクトレンズをなくした。
古いレンズを片方だけ使用して、練習を続けたが、距離感が合わない。
そのせいで、レース前日の11日に転倒して足を痛めた。
右足付け根がはれ、両ひざにはあざができた。
それまでに豊富に走り込んでいたから、アクシデントもはね返せた。
本番に備えて残しておいた使い捨てレンズを使用し「視界も良好」。
三井海上の鈴木監督は「持ち味を十分に発揮した」とたたえた。
愛媛・松山商高、松山大時代は無名。
三井海上入り後に力をつけ、高橋尚子(積水化学)がシドニー行きを決めた昨年の名古屋で2位に入り「アテネ五輪の新星」と注目された。
初の大舞台で「ペースの上げ下げなど世界大会は難しい。
スピード、駆け引きが課題」とアテネに向けて多くのことも学んだ。
記事一覧