03/28 06:55

日本の2得点は、いずれも右サイドで先発した市川の縦への走り出しから始まった。
決め手は相手DFの裏に抜け出してパスをもらう動き。
トルシエ・ジャパンはこれまで左サイドを攻撃の起点とし、右は攻守のバランスを図る役回りだった。
しかし市川の登場で、日本の「右翼」も躍動感が一気に増した。
前半10分の先制点は、市川の猛烈なダッシュが呼び水になった。
この場面、中盤右の高い位置で市川がボールを奪取。
中田英にパスを預けた瞬間に迷わずサイドを疾走し、反転した中田英からの高速パスを敵陣のサイド深くで受けた。
この折り返しを起点に中田英が先制点。
2人にしか共有できないスピード感が融合して生まれたゴールだった。
2点目は左からの大きなサイドチェンジが攻撃のスタート。
右サイドを駆けた市川はパスを受けると、ゴール前に構える高原に今度は「アーリークロス」を送った。
これはサイド深くをえぐる一歩手前で右斜めから放り込むクロスで、イングランド代表のベッカムの真骨頂。
市川も昨年から何度となくトライしてきた。
日本の武器である左サイドを封じられたときを想定すれば、右からも攻めることのできるのは心強い。
ワールドカップ(W杯)に向けて、攻撃の選択肢が増えたことになる。

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