03/28 06:53

意識が統一された戦い方は最後まで保たれた。
中田英、小野ら欧州組の4人は単に戦術に溶け込むだけでなく、彼らの特徴を加えることで組織で戦う日本の強さを進化させた。
トルシエ監督は「戦術的にチームの成長に満足している」。
アウエーでの快勝は、冗舌をさらに滑らかにさせた。
中田英は武器のキープ力で中盤に余裕を持たせ、周囲を使った。
2点につながった右サイドからの攻めは、いずれも中田英が市川のスピードを生かした。
市川は「あれだけ中盤でキープしてもらえれば楽に上がれる」。
左で両サイドのバランス保持に腐心した小野も前半38分、CKに飛び込んでのヘッドで見せ場をつくる。
川口は持ち前の反射神経で後半36分、至近距離からの決定機を阻んだ。
ただ、欧州組の能力だけで流れを握る戦いができたわけではない。
前線からのプレス守備が相手に苦し紛れの攻めをさせ、3バックがラインを高く保ってオフサイドを誘った。
狙いとするコンパクトな試合運びが一貫してできたのは、11人が一つの狙いを持って戦えたという証しでもある。
トルシエ監督は「いい組織プレーができれば、いい試合ができると確信している。
ことしの課題はどれだけ個人が成長できるかだ」と、組織力に絶対の自信を見せる。
「アウエーでの2-0は自信になる」と宮本。
世界王者フランスに、アジアナンバーワンのプライドを完膚無きまでに打ち砕かれた昨年3月の試合から1年。
日本は2カ月後に迫ったW杯でベスト16という目標へ、確かな視界を開いた。

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