ベルギー(下)
ベルギーのサッカー風土
▽1次リーグ突破に楽観論2月13日のベルギー-ノルウェー戦。
ブリュッセルのボードワン国王スタジアムは5万人を収容するが6割程度の入り。
6大会連続出場の常連だけに、3カ月先のW杯への関心はまだ落ち着いたものだ。
ただ、プレーオフの末にW杯出場権を手にした昨年11月は、大いに盛り上がったという。
代表チームが大方の予想を覆したからだ。
「対戦前にチェコに勝てると思っていた人は10パーセントもいなかったのでは」とベルギーの記者は苦笑いで振り返る。
さらにW杯の組み合わせ抽選では、強豪との同居を免れた。
レベルアップを望む声はあるが、多くの意見は「決勝トーナメント進出は大丈夫」との楽観論に一転している。
元代表監督のグータルス氏は「ベスト16入りしなければ、チームはベルギーに帰って来ない方がいい」とまで語っている。
サッカーはほかの欧州諸国と同様、最も人気の高いスポーツだ。
ベルギー・サッカー協会によれば日本の約12分の1、人口約1000万人の国内には2200のクラブがあり、毎週末には約1万試合が行われるという。
FWソンクの活躍で1部リーグの優勝争いに加わるゲンクは人口6万5000人の小さな町。
ホームゲームでは約2万人がスタンドを埋める。
タクシー運転手は「唯一の楽しみは週末のフットボール観戦。
このチームが誇りだよ」と言って、年間指定席のチケットを財布から取り出した。
ファンの今の興味は代表チームより、優勝争いが佳境に入っている国内リーグの方。
代表の今年初戦から10日後の2月23日、有力クラブのアンデルレヒトのホームゲームは約2万2000人の観衆でほぼ満員。
歓声とブーイングが渦巻くおなじみの光景が展開されていた。
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