信念貫き土壇場で代表に、31歳のDF秋田に存在感

DF秋田豊(鹿島)は今年最初の時点で、トルシエ監督の掲げる守備ラインの戦術に、半ば「不適格」と見なされていた。
「彼のようなタイプがベルギー戦でフィジカルのスペシャリストとして面白い選手であるのは間違いない。ただ森岡、宮本、中田浩、松田のつくる戦術に溶け込めるのか」
欧州勢に負けないヘディング、当たりの強さで存在は買われていた。だが、3人の連係を大事にするフラット3になじめるとは思われていなかった。
秋田は、持ち味で勝負する姿勢を貫いた。「今の自分自身を見てもらえればいい。監督が必要なら呼ぶだろうし、必要がなければ呼ばれない。目の前にあることをやってきたし、それさえやれば代表に入れると思う。そう、信じている」と、1月の合宿で静かに語った。その思いが4カ月後、本人も驚く土壇場での代表入りにつながった。
31歳は中山(磐田)に次ぐ年長者。Jリーグ開幕の1993年、鹿島入りした際に注目されたわけではない。だが、日本にできたプロリーグ、そしてブラジルのスター、ジーコを求心力にした鹿島の恵まれた環境で能力を磨いていった。
1年前の最初の合宿では代表候補にも入っていない。それでも、信念に揺らぎはなかった。「トップではないにしても、選ばれたDFの中で、トップ3に入る自信はある」。前回フランス大会の経験と、気持ちの強さが若いチームで財産となる。

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