守備の中心、宮本に試練

頭脳的な守備で、トルシエ監督の戦術を体現してきたフラット3の中心、25歳の宮本恒靖(G大阪)に試練が訪れている。
この3試合、ホンジュラス戦は1対1の甘さを指摘され、レアル・マドリード戦とノルウェー戦はオフサイドトラップのミスから痛い失点をした。
「セットプレーの瞬間にラインを上げ下げするのは決め事。それをチャレンジしてやった結果」とノルウェー戦後のコメント。前向きに受け止めたが、さすがに表情は厳しかった。
シドニー五輪では予選で中心となったものの、本大会ではオーバーエージ枠の森岡(清水)にポジションを奪われた。森岡が離脱していた今年の親善試合は巻き返しの絶好機だった。だが、再びベンチを温めかねない状況にある。
英語教師の母親の影響もあり、熱心に英語を学んだ。就任間もないトルシエ監督に信頼を寄せられたのも真っ先に、英語でコミュニケーションを図ったからでもある。
海外でのプレーへの志向が強い。「歴史のあるリーグで選手の引退後について、どこまでケアしているかを見ておきたい」と、ひと味違う動機もある。
夢を実現するための第一条件は、W杯の舞台を踏むことだ。「DFの選手は、やられたシーンはたくさん覚えている。こいつを止めた、というのはすぐに忘れるもの」。欧州遠征中に2度あったライン守備でのつまずきは、本大会で取り返すしかない。

戻る