2列目から飛び出す
得点に絡む森島
現在の日本チームは、高校を卒業し、すぐにプロになった選手がほとんど。その中で、プロ化される前の日本リーグ時代を経験している森島寛晃(ヤンマー-C大阪)は珍しい存在。育った環境の違いからか、サッカーに対する姿勢に違いが感じられる。
「代表入りが確実と言われるのはうれしいけど、意識してない。プロとして長くプレーできることが大切だと思う」。多少の謙そんもあるだろうが、日本代表である以前に、プロでやれることに感謝する。
ヤンマー時代から、契約更改の席では、ほとんど金額も見ずにサインした。所属するクラブが二部に降格しても、義理堅く運命を共にした。周囲に気を使い、調和を重んじる゛純和風"MFといったところか。
そんな古い日本人気質が世界で戦う上で災いした時期もあった。前回のフランス大会で、ほとんど出番がなかったのは、「周囲を意識し過ぎて消極的」と、当時の強化責任者から指摘されていたこともある。
だが、ここ数年で日本代表での立場が変わり、そんなマイナス面は消えた。はじけるような二列目からの飛び出しと、前線でのボールキープ力。求められるものが、明確に限定されたことで、やりやすくなったのだろう。
「僕がやるべきことは決まっている。あまりいろいろやらない方がいいと思っている」と言う。
攻撃陣の得点力低下が不安視されている。そんなときこそ、確かな技術に裏打ちされた森島のスタイルが輝きを増す。
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