監督の信頼厚い明神

危険な場面になりかねない状況を察知する確かな読みに加え、高い戦術理解度。
MF明神智和(柏)は、トルシエ監督に貴重な戦力として信頼されている。
4月のコスタリカ戦を前に、いち早く監督から代表“内定"のお墨付きが出た。
「23人の中には3つのグループがある。
ひとつは先発の11人を構成する第1グループ。
第2グループは途中で出場する選手で、明らかに違う。
1分だけの出場でも、どこでもやれる準備をしなければいけない。
明神は試合に出ないかもしれないが、私のチームには必要不可欠な選手。
第2グループのリーダーといえる」トルシエ監督のもとでの2000年シドニー五輪は稲本(アーセナル)とのコンビで中盤の絶妙なバランスを保った。
右サイドもこなし、同年2月のデビューから国際Aマッチ出場は21試合を数える。
柏ユースでの最終年、高校3年の頃にはなかなか契約の話が来ず、プロになれるかと気をもむ日々が続いた。
00年アジアカップの優勝に貢献し、ほかの選手同様にほのかな自信を抱いて臨んだ昨年のフランス戦は平常心を失って力の違いを見せつけられ、屈辱を味わった。
監督の控え的な評価にも「もちろんレギュラーで出ようという気はある」と目標を掲げる。
「一つ一つのプレーの精度を高めること」という生真面目さは、グラウンドの上で動き回る173センチの姿が雄弁に物語っている。

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