優れたバランス感覚
遅咲きのMF小笠原

23歳のMF小笠原満男(鹿島)が日本代表デビューを果たしたのは、2カ月前の3月21日のウクライナ戦だった。優れた攻守のバランス感覚が「必要な戦力」と認められた。
背筋を伸ばしたボールキープから、広い視野で長短のパスを散らす。得点へのきゅう覚もある攻撃的MFは、目につきやすい攻撃の部分だけでの見られ方を好まない。
「理想は得点に絡むプレー。ただ、自分で攻めたいからといって、攻められる訳じゃない。点差や試合の状況でどういうプレーを選択すればいいか、考えてやっている」。相手にボールが渡れば、素早く意識を変え、パスの出どころを抑えにかかる。
岩手・大船渡高で恩師の斉藤重信監督は、攻撃から守備への対応の速さをプロ入り後の成長点に挙げる。「守りから攻めへ向かうのが速い選手はいるが、攻めから守りの場合ばやったふり゙で済ませる選手が多い」
高校時代に攻撃に気持ちが向くのは、中心選手として仕方のないところだろう。プロ入り後の環境は、組織的な戦術を徹底して植え付ける点でリーグでも屈指の鹿島。守備へ貢献する楽しさを見いだし、プレーの幅は広がった。
3年前、世界ユース選手権で準優勝した仲間の小野、稲本、中田浩はいち早く代表入りし、主力に定着した。今回のチームで「遅咲き」の小笠原は、プロ選手として身につけた攻守の総合力で出場の機会をうかがう。(中居)

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