周囲を生かすプレー
オランダで成長した小野

成長の場をオランダに求めた22歳のMF小野伸二(フェイエノールト)は、充実の移籍1年目を過ごした。日本選手として初めて、欧州連盟(UEFA)カップ優勝という勲章も手に入れた。
「1日1日を積み重ねていこうという気持ち。チームでいいプレーをして、いい結果につなげることが大事」という。オランダでは与えられた複数のポジションに適応してきた。最終的には「ボールを落ち着かせることができる選手」とのファンマルウェイク監督の評価を得て、守備的な中盤に入る機会が増えた。
Jリーグ浦和時代の小野は、トップ下で変幻自在のパスを繰り出して、見る者を驚かせたが、それ以外に強調できるプレーは少なかった。
今の小野は3月のポーランド戦で見せたように、中盤のバランスを大事にできる。周囲を生かすプレーはパスだけではない。
「海外のチームとの試合では、自信を持てない部分があった」と振り返った。海外に出る前のコンプレックスも、オランダの名門クラブで定位置を確保したことで、弱気なプレーが影を潜めた。
だが、慣れない環境での疲労の蓄積が、本大会を前に表面化した。25日のスウェーデン戦を終え、「(W杯へ)状態を上げないといけないのは分かっているが、上げようとすると疲れる」と本音をこぼした。本大会を最高の状態で迎えられるか。直前の調整にかかっている。

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