持ち味は冷静さ
控えでも備え万全、曽ケ端

フランス大会を経験した川口(ポーツマス)楢崎(名古屋)の2人の存在感が大きく、曽ケ端準(鹿島)の立場はあくまで3番目のGKといえる。22歳の若さに似合わず落ち着いたプレーが持ち味。2人との立場を分けていたのは、あくまで実戦経験の少なさだったが、ここへきてそのギャップを埋めつつある。
出場機会の少なさが、正GKの座から遠ざかる要因として重くのしかかっていた。日本が準優勝した1999年世界ユース選手権は第3GKに甘んじた。その年のシドニー五輪最終予選で定位置を得て出場権獲得に貢献したと思ったら、翌年の本大会は再び第3GKの立場でベンチから外れる苦渋を味わった。
鹿島でも控えだっただけに、試合に出ていないハンディキャップがひのき舞台への出番を阻んだ。
流れが変わったのは昨年途中。高桑(現東京V)のけがで出番を得ると、以来ポジションを渡さずチームの年間優勝を助けた。さらに11月7日のイタリア戦。川口、楢崎の負傷で巡ってきた突然の代表デビューにも、冷静なプレーを続け、相手のトラパットーニ監督から印象に残る選手として評価された。今年も2試合で先発出場している。
「メンバーに選ばれ続けることが大事。自分では微妙な位置付けだと思っている。落ち着いていつも通りに自分のプレーができればいい」。控えとしての辛さも併せ持った曽ケ端は、現状を冷静に見詰めながら、腰を据えてそのときに備えている。

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