理想の攻めを追求
クールなエース柳沢
ことしになってから、まだ代表での得点がない。24歳の柳沢敦が結果を出せないことが、日本チームの不安要素といっていい。奮起を促す声が続出している。
最近の柳沢は、激励に踊らされることもないし、批判に傷つくことも少なくなった。「周囲の声? 一時は気になったが、今は自分とサッカーだけ、という感じ。いろいろな条件が整えば、結果は出せる」と動じない。
クールな姿勢が、ここ1年くらいで徹底してきた。左手甲の負傷は心配だが、精神的にたくましさが備わり、期待感は増す。
周囲の意見にあまり耳を貸さない、意固地なところがある。Jリーグ入りする際、最終的に誘いがあったのは、鹿島アントラーズと横浜マリノス。アドバイスをする周囲の声を遠ざけ、親にも相談せずに、直接鹿島の担当者に入団の意向を伝えた。「親にくらいは伝えるものだ、と言われた。でも、プレーするのは自分だから」というのが理由だった。
そんな性格もあり、スタイルへの執着心は際立つ。「自分も周囲も生かすような攻めが理想」。巧みなポジション取りや攻撃の起点となる質の高いプレーにこだわる。
国際Aマッチ6試合で5得点を挙げた昨年後半の活躍で、゛柳沢流゛を表現した。得点力不足が指摘される今、「攻めの美しさ」を求めるようなスタイルに、もどかしさがある。それでも、トルシエ監督の言動からも、エースの地位は揺るぎない。
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