▽王者にピレス抜きの不安、フランス
フランスの右ウイング、ピレスが負傷でW杯が絶望となった2月中旬、ルメール監督は「チーム構成を考え直す」と言った。1998年のW杯、2000年の欧州選手権の優勝からほとんどメンバーが変わらない王者の攻撃面に、一点の曇りが生じている。
司令塔のジダン、守備的MFのビエラ、プティ、サイドバックのチュラム、リザラズらによる華麗で、かつ重厚な攻撃の組み立て。これに加え、ピレスはアーセナル(イングランド)の同僚でもある1トップのアンリとともに、一瞬で相手に致命傷を与える危険な選手という存在だった。
「ピレス抜き」後のロシア戦、ルメール監督はアンリを左ウイングに、1トップにアネルカを試したが0-0。オーソドックスな布陣の場合、1トップとジダンの両サイドにくるウイングの3人が得点源。トレゼゲ、アンリ、ウィルトルド、ジョルカエフらをどう組み合わせるかがカギだ。
前回、勝因と言われた守備ではデシャン、ブランという中心選手が抜けた。ルメール監督は、チュラム-ルブフ-デサイー-リザラズを不動のラインとしている。GKバルテズを含め32歳を超える平均年齢と極東の蒸し暑さが、かすかな不安として残る。
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