▽才能ある若手成長のドイツ

過去3度優勝の栄光も今は昔。1990年W杯優勝メンバーだったフェラー監督の目標が「今回は1次リーグ突破」とは、次回2006年大会を開催する大国として寂しいが、苦しい戦いは必至の状況だ。
FWは衰えが目立つ34歳のビアホフ、守備もウェルンスら30代のベテランが頼りと世代交代がスムーズに進んでおらず、攻守ともスピードに不安がある。加えて負傷者続出のダブルパンチ。特にMFショルとDFノボトニーの戦線離脱は構想を大きく狂わせた。
とはいえ、才気あふれる若手も育ってきた。主軸に成長したMFバラックは攻守に献身的な働きを見せ、国内リーグで得点王に1点少ない17点、W杯予選もチーム最多の6ゴールを挙げた得点力を誇る。
故障から復帰したばかりのMFダイスラーも、創造性豊かなラストパスの持ち主。FW陣では遅咲きのヌビルや新星クローゼに期待が掛かる。
GKカーン主将は「ゲルマン魂」と呼ばれる不屈の闘争心を体現し、全軍を鼓舞する。華麗さには欠けても、いつしか上位に勝ち上がるのがドイツの伝統だ。06年大会へ向けた復活の足掛かりにしたい。

戻る