▽粘りと勝負強さのメキシコ

予選の大苦戦で実力低下が露呈したメキシコだが、追い込まれてからの粘りは驚異的だった。前回大会では格上と見られたベルギー、オランダと引き分け1次リーグを突破。その勝負強さは、決して侮れない。
予選突破の立役者はFWブランコだ。ひざの故障から復帰し、終盤の4試合で5得点。大逆転で母国を本大会に導いたエースは、抜群の決定力でチームを引っ張る。パレンシア、ボルゲッティらで構成する攻撃陣には期待が持てそうだ。
だが、不安要素が多いのも事実。世界最多の国際Aマッチ出場を誇る守備の鉄人、スアレスが右足骨折で離脱している。チームの精神的支柱が復帰できなければ、若手DFマルケスに負担がかかる。
フランスのモナコに所属する逸材だが、統率力は未知数だ。
また、突破力のある右サイドMFのアレジャノが、予選の暴力行為で2試合の出場停止。選手層に厚みがないだけに、アギレ監督も頭が痛いだろう。
状況は厳しいが、出場12度の常連国として存在感を示すには1次リーグ敗退は許されない。難敵クロアチアとの初戦が、大きな意味を持つ。

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