06/04 21:12
【釜山4日共同】「さあベスト16に向けスタートだ」--。
スタンド全体が赤く染まった韓国の釜山アジアード競技場。
1次リーグ突破という国民の悲願と夢を乗せ、韓国代表が4日、緑の芝に立った。
その姿を国境を超えた人たちがさまざまな思いで見守った。
大歓声と民謡アリランのメロディーが響く中、韓国の太極旗(国旗)に日の丸、そして朝鮮半島統一を願う統一旗が一緒に揺れた。
在日韓国・朝鮮人と日本人、そして本国の韓国人が日韓代表を共同で応援する「KJクラブ」の約300人が一つになった。
「開催だけじゃなく、応援まで一緒にするから意味がある」とソウル市の黄永洙さん(44)。
在日本大韓民国民団(民団)と在日本朝鮮人総連合会(総連)の「合同参観団」600人以上も熱狂的なスタンドに混じった。
観客席を真っ赤なユニホームで埋め尽くした韓国代表のサポーター「レッド・デビルズ」のメンバー金斗顕さん(20)は言い切った。
「もちろん日本チームも応援している。
共同開催なんだから。
共にベスト16に進めたら最高」。
1954年の初の日韓戦で韓国チームを率いた李裕☆さん(91)はソウル市内の自宅で後輩を見守った。
「これからはアジアのサッカーを日韓で率いてほしい」。
金大中大統領とポーランドのクワシニエフスキ大統領は貴賓席で観戦。
ソウル市内各所に大型スクリーンが設けられ、真っ赤な集団の応援が続いた。
釜山の観衆のうち約3000人は当日券で入場。
徹夜で並んで、やっとの思いで入場券を手に入れた男子大学生(21)は「あきらめていたので夢のよう。
3対1で韓国が勝つ」と興奮気味だった。
(注)☆=サンズイにツクリが火2つの下に宝
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