06/09 23:06
後半26分、ドリブルで突き進んだ中田英が右足で強烈なミドルシュート。
惜しくもバーに当たり、2点目はならなかったが、イタリア・セリエAで不動の地位を築いた男の実力と、攻め続ける日本の姿勢を十分に示した場面だった。
ベルギーとの初戦で右足をひねった。
だが、先発メンバーとしてグラウンドに姿を見せた司令塔の表情には、みじんの曇りもない。
その右足へのタックルは前半6分。
右で前へのスペースを見つけた中田英に、相手の足が飛び込む。
開始早々から顔をゆがませた。
日本で最も有名なサッカー選手にはそれだけ、警戒も厳しい。
ベルギー戦と同様に、敵陣中盤の危険地域にはスメルチンが応じた。
相手のそつなく網を張る対応に、スペースを狙う場面は少なかった。
10分すぎ、中央の柳沢を狙ったパスも寸前で阻まれた。
前半23分のミドルシュートはクロスバーを越えた。
それでも、ひたすらゴールを狙った。
4年間、生き馬の目を抜くようなイタリアの厳しい環境をくぐり抜けてきた。
リーダーとしての振る舞いが自然になり出した今大会。
稲本が後半6分に先制ゴールを決めると、中田英も歓喜のイレブンの輪の中に加わった。
その1点を守りきり、日本のW杯初勝利を手にした。
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