06/09 23:24

選手が与えられたポジションで動くのは当たり前のこと。
しかし、歴史的な勝利を手中に収めた日本は、ベンチを含めた全員の攻撃と守備が結実した。
日本の前半のボール支配率は57%。
前線の柳沢、鈴木はゴール前に詰めるだけでなく、局面に応じて1人は中盤まで下がりボールを奪いにいった。
もちろん入れ替わるように中田英、稲本らがオーバーラップ。
ロシアの警戒心を緩ませるすきは、一瞬たりともなかったはずだ。
その集中力を一気に爆発させたのが後半6分。
中田浩からの左クロスを、柳沢が左足の技巧的なタッチで稲本にダイレクトパス。
絶妙のタイミングで走り込んだ稲本の積極性と判断力は、先制ゴールだけに団結していたイレブンの姿勢を象徴していた。
得点した時間帯も最高だった。
ピッチの選手に視点を奪われがちだが、鈴木に代えてチームの精神的支柱であるFW中山を投入したのは後半27分。
選手が守りに入りたい時間に合わせ、トルシエ監督はあえて「追加点」を意識させた。
90分の試合時間すべてに無駄なく動いた選手はもちろん、ベンチワークも輝きを見せたベストマッチだった。

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