06/09 23:30

ロシアは恐れていたシナリオが現実になった。
「日本は攻守の切り替えが速い。
それが彼らの武器」とロマンツェフ監督は前日の記者会見で警戒していたのだが、日本の速さについていけなかった。
チェニジア戦に続いて連勝すれば1次リーグ突破が決まる一戦。
だがカルピンを起点とした右サイドからの攻撃は早い段階で日本の守備網にかかった。
後半6分に先制ゴールを許した後の13分が絶好機だった。
日本の守備の一瞬のスキをつき、ベシャストヌイフがフリーでゴール左からシュート。
しかしボールはネットの外側を揺らした。
情報戦を得意にする知将ロマンツェフ監督が出場をほのめかしていた、大黒柱のMFモストボイは痛めた右足が完全には回復せず、結局この日も欠場。
日本への脅威は十分ではなかった。
後半から投入したシチョフら攻撃陣もペースをつかみ切れず、守備陣は日本の大きな動きと、稲本らの果敢な突進に振り回された。
苦し紛れに距離のあるシュートを放っては、ゴールの枠を外し、選手も監督も頭を抱えるシーンが続いた。
歓喜を爆発させる日本の選手を横目で見ながら、イレブンは唇をかみしめロッカーへ。
ゲルシコビッチ・コーチはオフサイドぎりぎりの稲本の決勝ゴールを指してか、「日本の方にツキがあった」と悔しさをにじませた。

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