06/10 00:18
終盤にロシアの猛攻を浴びたが、GK楢崎は極限状態で集中力を高めていた。
獲物に襲いかかるような鋭い目。
勝利の笛が鳴ると、声にならない声を上げた。
大歓声に背中を後押しされた。
前半32分、スルーパスからピメノフに抜け出されたが、猛然とダッシュして体を投げ出して止めた。
「気持ちが前に出ていた。
とにかく失点してはいけない気持ちが強かった」と振り返った。
「ホームの有利さを感じた。
途中から余裕が出て、いける雰囲気になった。
この勝ちは精神的に落ち着く」とも。
昨年3月は世界王者のフランスに屈辱の5失点。
一時は自信を喪失し、出番も失った。
それでも、あきらめなかった。
トルシエ監督はW杯直前まで3人のGKをローテーションで回し、最後に選んだのは冷静で安定した楢崎だった。
4年前のW杯は、経験豊富な川口の背中を追いかける「第2GK」だった。
この4年でシドニー五輪をはじめ、国際舞台を数多く経験。
その成果がプレーの落ち着きに表れた。
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