06/10 10:45
すべては大阪決戦で--。
サッカーのワールドカップ(W杯)で、日本の決勝トーナメント進出をかけた決戦の舞台となる大阪はロシア戦から一夜明けた10日、勝利の余韻と新たな期待でW杯熱が急上昇した。
一方、日本が1次リーグをH組1位で突破すれば、決勝トーナメントの初戦は仙台。
「ぜひ来てほしい」。
街には早くもそわそわムードが漂った。
通勤客が多く行き交うJR大阪駅。
売店にはいつもより多くのスポーツ紙が高く積み上げられた。
「各紙軒並み2、3割増刷している。
阪神が勝った翌日よりも多く売れている」と、販売員はニッコリ。
大阪市の会社員下川弘さん(51)は「稲本も宮本もよう頑張った。
2人とも大阪の宝やね。
チュニジア戦では地元での活躍を期待してます」と手放しで2人を持ち上げた。
知人と待ち合わせの女性(40)は「ロシアで暴動もあったし、ちょっと心配」とサポーターらの過激な行動に不安も。
9日夜には、道頓堀で熱狂した約140人の若者らが橋から次々と川に飛び込み、機動隊が出動。
大阪府警警備部の幹部は「思ったより多くが飛び込んだので計画をもう少し練り直したい。
最初から力で押さえたくはないが、危険行為は取り締まらなければならない」と悩ましげだ。
会場となる長居陸上競技場の地元長居商店街の関係者は「商店街の知名度も上がってくれれば」と大阪商人らしいちゃっかりさも忘れなかった。
大阪市W杯推進室で広報を担当する在日韓国人3世の宋正慧さん(30)は「勝って良かった。
韓国も勝って、日本と一緒にいいところまで行ければ」と、10日午後の韓国-米国戦が気になる様子だった。
ロシア戦の勝利に、思わず顔がほころぶのは仙台のW杯関係者。
「W杯前は予選1位通過は無理だと思っていたが、みんなが『日本代表を宮城で見たい』と心の中で期待していた」と、県W杯推進局の鈴木国雄局長補佐は軽やかな口調。
仙台市企画調整課の埣浦功夫課長は「Jリーグ1部に昇格したベガルタ仙台の快進撃と、イタリアのキャンプ実現だけで御の字だったが、日本戦まであるとサッカー王国ですね」と期待を込めた。
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