06/10 19:08
鼻骨骨折を保護するプロテクターを外した顔は、自信にあふれていた。
ロシア戦でフラット3の中央でラインを統率し、日本の「W杯初完封」に貢献。
理論派のDF宮本(G大阪)は、終盤に猛攻を受けても崩れなかった守備に日本の成長を感じ取っている。
「ゲームプラン通り。
苦しいと感じる時間はなかった。
むしろ時計を見ながら冷静にプレーできた」。
ドーハの悲劇、4年前のW杯フランス大会、シドニー五輪準々決勝の米国戦。
これまで日本は、リードをしても守り切れずに「敗北の歴史」を繰り返してきた。
しかし、宮本は言う。
「ある時間帯からスイッチが切り替わった。
チーム全体がカウンターを武器に、守り切る意識で固まった」それはロシア戦でいつもより深めに取ったライン統率にも表れている。
「相手に研究されている分、やみくもにラインを上げるだけでは危険。
少し下がった位置から出ていった」。
終盤は守備的MF戸田(清水)に「DFラインの前でどっしりと構えてくれ」と的確な指示を出し、所々に生まれたスペースを埋めた。
W杯前の欧州遠征ではライン統率の乱れから失点が続き、プレーに妙な気負いが目立った。
それでも「自分のプレーを悪いと思ったり、自信をなくしたことはない」と力を込める。
次は決勝トーナメント進出を懸けたチュニジア戦。
「欧州とは違うスタイルだし、スピードもある。
ラインを深めに取った方がいいかもしれない」。
宮本は相手に合わせてフラット3を対応させる判断力を取り戻している。
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