06/10 01:47

【モスクワ9日共同】サッカーのワールドカップ(W杯)で日本-ロシア戦があった9日、モスクワ市中心部のマネージ広場で街頭観戦していたサポーター約8000人の一部がロシアの敗戦にいらだち、仲間同士や警官隊と衝突してフーリガン(暴力的なファン)化、邦人を路上で襲ったり車に放火するなど一時騒乱状態となった。
ロシア警察当局はフーリガンとみられる約60人を逮捕した。
負傷者はロシア通信によると100人以上。
モスクワで六日から開いているチャイコフスキー国際コンクールを見にきた岡山県倉敷市の大学2年生、加藤亮次さん(19)と、女性4人の日本人学生5人が試合開始前に市内中心部で取り囲まれ、加藤さんが顔を数回殴られてけがをした。
5人は近くの喫茶店に逃げ込み、連絡を受けたモスクワの日本大使館員に保護された。
加藤さんは「フーリガンは本当に危険だと実感した」と語った。
またモスクワ中心部の日本料理店が襲われるなどしており、モスクワ市当局は、日本大使館周辺の警備を強化。
大使館は在モスクワの日本人に外出しないよう呼びかけた。
フーリガン化したサポーターの多くは酒を飲んでいた。
思うように攻められない試合展開にいらだち、広場の中心部で乱闘が始まった。
周囲の警官は中に入れず混乱が拡大、近くのホテルに投石し数十台の車に放火したり、目抜き通りのショーウインドーなどを破壊した。
警察当局は、騒ぎの後で部隊を増派、同広場周辺など中心部を封鎖。
状況は夜までにほぼ鎮静した。
混乱の中で男性1人が刺殺体で見つかったと報道されたが、モスクワ市警察のプローニン長官は騒ぎとは無関係だと言明した。
またロシア通信によると、試合終了後、17歳の男性が手首を切り自殺を図った。
1998年に前回W杯が開かれたフランスでは、マルセイユで60人以上の負傷者が出るなど混乱した。

記事一覧