04/13 14:36
4年前は初出場の母国が3位に入る快進撃を見ているだけだった。
クロアチアのFWボクシッチ(32)は、ワールドカップ(W杯)フランス大会のピッチに立てなかった。
今大会に懸ける思いは特別だ。
187センチの体は迫力がある。
突き進むようなドリブルには、旧東欧勢独特の繊細なボールタッチも加わる。
フランス大会当時は、ラツィオ(イタリア)で絶好調。
力強いだけでなく、見た目以上に俊敏な動きから、大会得点王候補にも挙げられていた。
しかし、大会直前に発表の代表候補25人に入りながら、その後、右ひざの故障が重傷と分かり、最終登録の22人からは外れた。
一時は自らの意思で代表を引退。
しかし2000年1月に就任したミルコ・ヨジッチ監督の強い要請で代表チームへ戻った。
今大会の欧州予選では、昨年10月6日のベルキー戦がハイライトだった。
勝たなければ6組1位になれない最終戦。
後半30分、右センタリングを流し込み、2大会連続のW杯出場への扉をこじ開けた。
ヨジッチ監督は「われわれの戦いはボクシッチら個人の才能がベースだ」と信頼を寄せる。
現在のミドルズブラ(イングランド)でも故障がちだが、3月23日のリーグ戦では王者マンチェスター・ユナイテッドを下す決勝点を奪った。
1996年欧州選手権もけがで出場できなかった。
その能力を世界に示す舞台には、まだ立っていない。
年齢的には最後のW杯。
今度こその思いがにじむ。
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