05/16 14:48
▽ロシア北の巨人。
旧ソ連崩壊後は低迷期が続いたが、ロマンツェフ監督の下、スパルタク・モスクワ流の細かくパスをつなぐサッカーと鉄の結束力で復活した。
特に中盤の顔触れは役者がそろう。
4月のフランス戦は敵地に乗り込んで世界王者に独自のスタイルを貫き、0-0で引き分けた。
攻撃は体力を生かしたパワープレーではなく、壁パスやスルーを駆使して崩す華麗さを追及。
トップ下のチトフはトリッキーなプレーで得点機を演出する。
2列目から飛び出す19歳のMFイズマイロフは小柄ながら、繊細なタッチのドリブルが武器で、W杯のワンダーボーイになり得る存在。
一方で弱点も目立つ。
守備ラインの統率力がなく、主将のオノプコは縦へのスピードに難がある。
スペイン1部リーグのセルタで活躍する右サイドのカルピン、中盤でパスを全方位に散らすモストボイのベテラン勢も気性が激しく、意外と好不調の波が大きい。
先のフランス戦で好セーブを連発したGKニグマトゥリンは足技のプレーが苦手。
チームは格下相手に簡単に敗れるかと思えば、強国には互角以上に渡り合う。
こうした危うさがロシアの不気味なところでもある。
▽チュニジアアフリカ最終予選は8試合4失点。
2大会連続のW杯出場は、強固な守備で奪い取った。
3バック、4バックを併用し、国際Aマッチで日本が完敗したセネガルやノルウェーと0-0に持ち込んでいる。
GKエルウアエル主将の電撃引退で最後尾に不安が残るが、DF陣で空中戦で強さを発揮するジャイディ、読みの鋭さを見せるバドラは安定。
タベトも前回W杯代表で経験がある。
問題は得点力不足。
今年の国際Aマッチは7試合連続無得点で、アフリカ選手権は1次リーグ敗退。
3月に、ミシェル監督が辞任。
後任のスワイヤハ監督は立て直しに必死だ。
5月上旬のフランス合宿で、左サイドのMFに起用したセラミが起点となり、フランスのクラブチームとの練習試合に連勝した。
司令塔のバイヤ、右サイドのH・トラベルシらベテランも健在。
縦パス主体の今までの攻撃からバリエーションが増えてきた。
ジャジリと組んだ2トップでW杯予選計10得点を挙げたエースのジトゥニは、左ひざ負傷から復帰目前。
守備は計算が立つだけに、抜群のスピードが武器の大黒柱の決定力が1次リーグ突破の鍵を握る。
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