05/27 06:42

代表合宿中のアクシデントでワールドカップ(W杯)に出場できなくなったスペインのGKカニサレス(32)が「無敵艦隊」と呼ばれるチームの精神的な支柱になっている。
右足の傷が直らないままチームに同行したベテランは、松葉づえ姿でキャンプ地の韓国・蔚山に入り、夢を託した仲間を励ましている。
不慮の事故が起きたのはスペイン南部・ヘレスで合宿中の17日だった。
代表23人の背番号が発表され、カニサレスは大黒柱の「1」を手にして宿舎に戻った。
その喜びが一転する。
入浴中にローションの瓶が落ち、ガラスの破片で右足親指のけんを痛めた。
全治1カ月のけが。
3大会連続W杯出場の夢も砕け散り「悔しいけれど、人生は山あり、谷あり」と自らに言い聞かせた。
今季は所属するバレンシアの31年ぶりのスペイン1部リーグ優勝に貢献。
「その勢いでW杯も頑張りたかった」との思いはかなわなかった。
無念さを押し殺し、代表チームに同行した。
キャンプ地でカニサレスは、毎日欠かさず練習に顔を出し、21歳のGKカシリャスの動きを追う。
「若さと自信を僕の代わりに爆発させてほしい」。
“陰の守護神"カニサレスは、代わって背番号1を付けたホープに大きな期待をかけている。

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