05/30 06:41
釜山から高速バスに揺られ西に2時間30分。
両側を山に囲まれた道沿いには多くの水田が広がり、道端で揺れるデンマーク国旗だけがワールドカップ(W杯)出場チームのキャンプ地であることを教えてくれる。
デンマークがキャンプを張る南海は、そんなのどかな場所だ。
本土から橋を渡り、風光明美な南海島にある練習場の南海スポーツパークは、韓国プロ野球のキャンプ施設も併設される複合スポーツ施設。
よく手入れされた芝のグラウンドを5面備える。
選手は同じ敷地内にあるホテルから、歩いて練習場へ向かう。
聞こえるのは鳥のさえずりだけ。
都会の喧騒(けんそう)を離れ、W杯直前に集中を高めるには絶好の環境だ。
練習場には7000席の仮設スタンドが設置され、練習時間が近づくと地元の住民が車でやってきて練習を見守る。
練習前には2人のスタッフが芝の管理を入念に行うなど、バックアップ体制も万全だ。
デンマークのサッカー誌「ディプスブラッド」のイエンセン記者(48)は、1986年のメキシコ大会からデンマーク代表を取材している。
「デンマーク協会は日韓両国で多くのキャンプ候補地を見て、ここに決めたんだ。
デンマークのキャンプ地はいつもこんな感じの、都会から離れた静かな場所なんだ」この日訪れた約30人の報道陣も、そのほとんどがデンマーク人。
練習前には約15分間、自由に取材が許され、リラックスした様子でそれに答える選手の姿が印象的だ。
雑音に惑わされることなく、デンマークはひそかに上位進出へ向け牙を研いでいる。
(南海、共同)
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