05/30 16:17
▽イタリア優勝を視野に入れたチームならではだろう。
4度目の頂点を狙うイタリアの調整は、決勝トーナメント以降を見据えている。
現状は万全とは言い難い。
攻撃を操るMFトッティはセリエA(イタリア1部)のリーグ戦終盤で足首を痛めた。
26日の鹿島戦(国立)には先発出場し、前半で退いたが、まだ本来の動きではない。
2トップの一角が確実視されていたFWインザギはこの試合で左ひざの故障を悪化させ、エクアドルとの第1戦(6月3日)は欠場する。
伝統の堅守「カテナチオ(かんぬき)」を支えるネスタ、カンナバロ、マルディーニは順調だ。
トラパットーニ監督は、エクアドル対策でパヌッチを加えた4バックも試した。
選手層が厚い。
インザギが使えなくても、デルピエロ、モンテラ、デルベッキオと豪華な顔触れがそろい、トッティの代役ではドニが控えている。
トラパットーニ監督は「エクアドルのようなチームとの対戦には、大きな危険がある」と引き締める。
よほどのアクシデントがない限り、戦力的に1次リーグ突破は確実。
ピークを強豪と対戦する1次リーグ以降に合わせる。
▽ポルトガル華麗な中盤に加え、FWパウレタ、ヌノゴメスが計算できるまでに成長したことが大きい。
これまでは中心選手、フィーゴの動きが自在で複雑であるため、連係の完成度がいまひとつだった。
だが、ここにきてルイコスタを含めた中盤とのバランスがよくなっている。
ことしに入ってからは、2月のスペイン戦を1-1で引き分け、3月のフィンランド戦はホームで1-4と大敗し、やや調子を落としていた。
オリベイラ監督は「段階的に、調子は上がっていくだろう」と楽観的な見方をしている。
ただし、伝統的に苦手といわれる守りは改善されていないようだ。
守備ラインがあまり組織化されていないため、25日の中国戦では、ロングボールの処理にもたついていた。
技術の高い選手に支えられ、なんとか持ちこたえている面があり、決勝トーナメント後を想定すると、不安はある。
残された時間で若手選手の質を上げるのは難しい。
コウト、ジョルジェコスタのベテランやボランチのパウロソウザが守りの意識をどれだけ高め、実践するかだろう。
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