06/01 09:01
始まりは、劇的だった。
初出場のセネガルが、欧州流の洗練された持ち味を発揮して、王者フランスに勝利。
準優勝した今年のアフリカ選手権を取材したときに見た攻守の粘り強さが、世界レベルでも発揮されていた。
選手権後、さらに成長したことを実感した。
前日までは、主力のファディガが起こした“万引事件"で、セネガル報道陣は苦り切っていた。
韓国当局の寛容な判断で大会出場に支障はなかったが、イメージが傷ついたと、国内での反応は大きかったという。
セネガル国営通信のディアオ記者は「ダカールの彼の親族の家は大勢に囲まれ、国の恥だと責められた。
理解できない行動だ」。
悔しさと、情けなさの混じった表情だった。
しかし、この日の堂々とした戦いぶりで、やるせない気持ちもいっぺんに吹き飛んだようだ。
「こんな素晴らしい瞬間に立ち会えるなんて」と喜ぶディアオ記者を見て、素直にうれしかった。
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