06/04 08:40

優勝候補のイタリアがエクアドルを零封し、20年ぶりのタイトルへ好スタートを切った。
緊張する初戦に採用した新システムの4-4-2も、百戦錬磨のイレブンは柔軟に対応した。
「3バックでも4バックでも両方大丈夫だ」。
伝統の堅守「カテナチオ」を支えるDFネスタの言葉は自信にみなぎっていた。
欧州予選は3バックで一貫したが、5月26日の鹿島戦でマルディーニを含めた4バックに初めて転じ、イタリアの報道陣が驚いたほど。
エクアドルのFWデルガドをカンナバロとネスタのセンターバックで封じ、攻撃力を備えたパヌッチを右サイドバックに投入する作戦が見事に当たった。
司令塔トッティをFWで起用した2トップは巧みなコンビネーションを発揮。
中央でビエリが構え、W杯初出場に意気込んだトッティが両サイドのスペースに動いたことで前半7分の先制点を生み出した。
パヌッチのパスに反応したトッティが右サイドを切り裂き、折り返したのをビエリが決めた。
ビエリの動きに合わせたトッティの瞬時の判断、正確なパスは見事だった。
2000年欧州選手権はゴールデンゴール(日本のVゴール)で優勝を逃し、トッティは悔し涙を流している。
「とてもいいスタートを切れたが、仕事は終わったわけでない。
タイトルを取るため、これからも試合はある」。
CKで何度も大型画面に映った“ローマの王子"が初めて見せる鬼のような形相に、W杯に懸ける執念を感じる。

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