06/07 20:56

カリスマGK、チラベルトが南米予選で相手につばをはきかけた出場停止処分が解け、帰ってきた。
パラグアイにとって、それは何よりも大きな力になるはずだったのだが…。
痛恨の逆転負けに、誇り高い36歳の主将は傷つかないはずはないが、そんな素振りを押し隠すように、終了の笛は鳴るまで怒ったような表情で、何かを叫んでいた。
前半10分だった。
自陣深くからの長いFKを、自ら正確に相手ゴール前に送り込む。
ヘディングでのクリアを拾ったゴール前のアルセが右サイドからシュート。
GKが弾いたが、スペインのDFプジョルに当たってオウンゴールの先制点を呼び込んだ。
しかし守りに、輝きは見られなかった。
後半8分、CKから、相手FWモリエンテスのヘディングシュートに、全く反応できない。
同24分にはクロスボールに飛び出すポイントを誤った。
ボールは頭上を越えて、モリエンテスの前に落ち、押し込まれた。
ゴールへと転がるボールを見送るチラベルトの背中に、無念さが漂った。
スペインとは4年前のフランス大会でも1次リーグで顔を合わせ、0-0の引き分けに持ち込んで、相手を1次リーグからけ落とした。
今回の対戦が決まってから、チラベルトは挑発的な態度をとり続けた。
「スペインは欧州予選でリヒテンシュタインやイスラエルなどと戦ってきただけではないか。
彼らがこのグループで一番のチームだとは思わない」。
あのコメントは、自らの衰えを自覚し、相手の充実ぶりを承知のうえで、あえて虚勢を張っていたのかもしれない。
(全州、共同)
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